自分を取り巻く家族に借金をする人がいなくても、いつ、災いが降りかかってくるかわかりませんよね~。目の前にいるお父さん、お母さんは真面目で慎ましやかに生きてても、遠い親戚がやらかしたことで、トラブルに巻き込まれることもあります。
借金を相続することになってしまった場合などは、家族がひっちゃかめっちゃかになってしまう事も~~~。ホントに相続っていきなり突然に起こるし、相続って奥が深い出来事ですよね~。
今回は借金を相続してしまった場合の時効の援用や相続を放棄するに当たり、その期限などを楽田さんご一家のケースでお勉強してみましょう。
今回のケース(下記の事情以外は考慮しないこととしますね!)
楽田A造さん(らくだえいぞう55歳)は妻のB代さん(びーよ50歳)と娘のC子さん(しーこ25歳)と息子のD太くん(でーた20歳)の4人家族で、幸せにそして平穏に暮らしていました。
ところが先日、突然A造さんが大動脈解離で亡くなってしまい、家族全員その葬儀を終えて悲しみに暮れていたところ、追い打ちをかけるような出来事が楽田家を襲います。
楽田家のポストに手紙が届き、その封筒を開けたC子さんはびっくり!
なんと「借金を支払え」との督促状でした。
B代さん 「あなた~~~~~~!なんですか?これ?」
A造さん 「知らないですよ~~~~!ホントに~~~~!」
C子さん 「そんなはずない!!!」
D太くん 「だよ~~~だよ、だよ、だよ~~~!」
借金の督促状をよ~く見ると、そこにはなんと今は亡きN平(えぬへい享年38歳)のおっちゃんの名前が~~~~。
N平のおっちゃんとは、A造さんの弟ですが、N平のおっちゃんは12年前に事業を失敗して会社倒産、自ら命を絶ったのでした。その会社倒産により信用保証協会が信用金庫に代位弁済(債務者の代わりに払ったっていうこと)をしてその求償(あなたの代わりに払ったので、今度はこちらに返してね)をA造さんにしてきたのですが、A造さんは1ヶ月前に亡くなっています。
パレ子さ~~~~~~~ん!これってひどくな~~~~~~!なんとかしてください、お願いします!

ホントですぅ~~~大変な額の借金~~こんなの払えって、嘘みたいな話ですぅ~~~~!
まず、借金を相続しちゃうんですか?

人が亡くなると、亡くなった人の財産全てがその相続の対象にになりますよね?ですから、貯金やお家などプラスの財産も相続の対象になりますし、借金やローンなどのマイナスの財産も、もちろん相続の対象になりますからね(民法896条)。
実は、会社経営していたN平のおっちゃんは会社をなんとか再建しようと頑張っていたんですが、それも叶わず、自らの命を絶ったのでした…。そして資金繰りのための借金が相当あったのですが、N平のおっちゃんが亡くなったことで、唯一の親族であるA造さんがそのマイナスの財産である借金を相続してしまったのです。
C子さん 「そして、お父さんが相続したN平のおっちゃんの借金を、私たちが相続したってわけ…」
B代さん 「C子…その借金、いくらって?」
C子さん 「……ろ く せ ん ま ん え ん……」
D太くん 「は~~~~~~~~!ふざけんな~~~~~!払えるわけないだろ!」
借金を相続したけど年月が経っている場合、時効完成?
C子さん 「相続の基本はわかりましたけど、でも借金も返済しないで月日が経てば時効になりますよね?時効って10年でしたっけ?」
もちろん民法の規定(166条)により、借金などの債務は10年で消滅時効にかかりますが…、
B代さん 「C子!N平さん亡くなったの12年前だよね?」
D太くん 「んじゃ、大丈夫じゃねぇ~~~!」
時効が完成していた場合、完成しただけで債務が消えてなくなる訳ではないんですね~時効の援用っていうのをしなければなりません(145条)。
D太くん 「なあ~~だ、簡単じゃん、えんよう、しよしよ!」
そして、時効は期間が経過したように見えても、途中で時効の期間が中断している場合もありますから注意です。例えば、信用保証協会がN平さんやA造さんに「払ってください」と請求していて、それに対し「わかったから、待ってくれ」とか答えていると、時効が中断しています。
そして、時効が完成していないのに、時効を援用しますなんていっちゃうと、この行動が債務の承認となってしまう恐れがあります。
そうすると、もっと大変なことになってしまいますよ~~~~!
相続放棄っていう手もあるけど~
実は、相続放棄(915条939条)っていう手があるんですが、この債務の承認となる行為が相続を単純承認したことになり以後相続放棄できなくなるんです。
そうすると、6000万円をみんなで払わなければなりません。
B代さん 「そんなバカなことがあるもんですか~~~N平さんの借金ですよ~~~」
C子さん 「お父さん、知ってたのかな~~N平のおっちゃんの借金…」
D太くん 「無理無理無理無理無理無理無理無理無理~~~~~~!」
相続放棄の期限は、相続の開始があってから3ヶ月以内ですから、A造さん亡くなってからもう既に1ヶ月半経ってますのでね。
でも、相続放棄すると、本来A造さんの財産を相続できたはずなのに、全~~~~部、相続しないことになりますよね…
C子さん 「そしたら私たち、住むところも無くなっちゃうよね?それはごめんだわ!」
D太くん 「そうだよ!」
B代さん 「もう…私は疲れたわ…頭がパニック…A造さん、あなた知ってたの?」
A造さん 「ブルブル~~~~~(激しく頭を振るお父さん)」
ですから、今回は、消滅時効の期間が経ってるかを早急に調べて、経ってたら時効を援用して、もし経ってないか、その辺不明な場合は、相続放棄という方法をとるのが良いでしょうね!
まとめ
ここまでくると、早くアクション起こして弁護士さんに相談してくださいね!
素人判断は一番良くないですからね!
町の法テラスが手っ取り早くていいですよ~もちろん無料で相談に乗ってくれます。