最近人生100年時代と言われてますが、寿命が一昔前に比べたら格段に伸びてきましたよね~!テレビでは健康に関する特集を見ない日はありません。みんなが健康で長生きするのをパレ子も祈っていますが、でもそれぞれの事情によりいきなり悲しい出来事が起こってしまうのも、また現実です。
そして、ひとたび人一人が亡くなると、家族は慌ただしくお葬式をあげ、お墓に祀り、そして悲しみに暮れながら相続税の納付期限があっという間に到来…なんてことが~。
そこで、今回は土地をお持ちの楽田さんのご一家を通じて、相続税はいくら払わないといけないのか計算をしてみたいと思います。
今回のケース(下記の事情以外は考慮しないこととしますね!)
楽田A造さん(らくたえいぞう55歳)はB代さん(びーよ50歳)と結婚して、C子さん(しーこ25歳)D太くん(でーた20歳)の2人の子どもと、とっても幸せに暮らしていました。A造さんは一流企業にお勤めなんですよ~。そしてA造さん営業の第一線で日本中を飛び回ってましたから、家のこと全般は妻のB代さんに任せっきりでした。そんな超忙しいA造さんとB代さんは、A造さんが定年退職したら、二人で海外旅行に行ってのんびりするのが夢でした。でもそんな夢が無残にも砕かれる出来事が起こります。
A造さんが仕事帰りに高速道路を走っていたところ、あおり運転に巻き込まれて、死んでしまったのです。
天国に出発するA造さん「悔しいな…定年になったらB代とマチュピチュに行くって約束だったのにな…」
B代さん 「あなた~なんでこんなことに~~~~一人で本当の天空に逝っちゃうなんて~~~~!」
C子さん 「パパ~~~私と一緒にバージンロードを歩いてくれる約束だったじゃない~」
D太くん 「おやじ~~~、くそ~~あおり運転のやつら、絶対許さねぇ~~」
天国に行く途中のA造さん「安心しろ!パパはいろいろ手を打っておいたから~!」
えっ?なんのこと????家族が悲しみが癒える間もなくバタバタ葬儀を終えて、一段落したところ、B代さんがA造さんの机の中から1通の保険証券を見つけました。A造さんは1500万円の死亡保険に入ってたのです。また石材やさんから、お墓の建立が完成しましたとの連絡も~~さらには、公益財団法人から感謝状も~~、その中には感謝状と一緒に200万円の領収書が入っていました。
B代さん達家族は、なにがなんやら~~~~~~!
パレ子さん、相続税はA造さん亡くなってから10ヶ月以内に申告、納付しないといけないんですよね~

そうですね!悲しみも癒えないでしょうけど、ちょっと考えてみましょうね!
相続税はいくらですか?計算してみましょう

相続税の対象となる相続財産総額は?
相続税の対象となる相続財産総額は、プラスの財産から、マイナスの財産と、非課税財産を引いた額になりますので、いくらになるかピックアップしてみましょう。
プラスの財産
A造さんは家族が住む土地3000万円、建物1200万円、預貯金2000万円を残しました。そして、死亡したことで遺族が受け取った生命保険1500万円(既払い保険料500万円)、死亡退職金3500万円となります。
総額1億1200万円ですね!
マイナスの財産と非課税になる財産
次に、プラスの財産からマイナスの財産と非課税財産を引きます。
楽田家では住宅ローンが残ってましたね~ローンの残債務400万円はマイナスの財産として引きます。それにA造さんの葬儀費用は400万円かかりました。
そうすると、1億1200万円-800万円=1億400万円
楽田家の課税の対象となる相続財産総額は1億400万円です。
次に基礎控除額を計算して引いてみましょう
基礎控除額は改正されて平成27年1月1日から変わりましたよ~
3000万円+600万円×法定相続人の数
と以前より少なくなりましたので、きっと相続税を納める人が増えますね、ドキドキ…。
楽田家では相続人は、妻のB代さん、娘のC子さん、息子のD太くんの3人ですから、
3000万円+600万円×3人=4800万円
が相続財産総額から基礎控除されます。
1億400万円-4800万円=5600万円が課税遺産総額となりそうです。
ちょっと、待って~~~~~~!

先ほどの1億400万円から、まだまだ、控除がありますよ~~~~!
小規模宅地等の特例が適用されるかも~~~~皆さんで住んでた土地の広さは何平方メートル?
B代さん 「はい、300平方メートルです…」
なら大丈夫!土地の評価額から80パーセント減額になります。ですから、2400万円減額になり、600万円で計算します。
C子さん 「そうなんだ…国もいろいろ相続人に優しいところもあるのね…」
それに死亡保険金と死亡退職金は、500万円×法定相続人の数分だけ非課税ですから、死亡保険金1500万円と死亡退職金1500万円は非課税です。
なので、先ほどの5600万円から、5400万円引いて、残り200万円が相続財産総額となります。
ちょっと待って待って~~~~~!A造さんどこかに寄付してましたよね?そうそうA造さんが公益財団法人に寄付していたその寄付金200万円も引きましょうね。
そうすると、課税遺産総額は0円です!!
天国の入り口に立ったA造さん「パパは仕事ばっかりで家族を顧みないと思ってただろう…パパはみんなのこと、愛してたよ…ホントはもっとみんなと一緒にいたかった……」
B代さん 「ありがとう…あなた…私も愛してました…」
C子さん 「パパ~~~~~~大好き~~~~~~!」
D太くん 「おやじ…さすがだな…オレも見習うよ…」
あの~~~~もしもし~~~!

A造さんがもし手を打ってなかったら~すごいことになってましたよ!!!!
恐る恐る相続税、計算し直してみましょう
もし、A造さんが保険に入ってなかったら1500万円の控除もなく、保険料の500万円が現金計上となります。また、A造さんは亡くなる前にお墓を500万円(墓石、墓地永代使用料込み)で建立してますが、これをしていなかったら現金である500万円も現金計上となります。因みに相続が開始してからお墓を建てても、それは控除の対象とかなりませんからね~それに寄付200万円もしてなかったら……あらっ大変!!!!
相続財産総額は、土地600万円(3000万円-2400万円)建物1200万円、預貯金3200万円(2000万円+保険料500万円+墓石建立500万円+寄付200万円)、死亡退職金2000万円(3500万円-1500万円)となります。総額7000万円となりますですですぅ~~~。
そこから基礎控除額4800円を引くと、ジャジャジャジャ~~~ン楽田家の課税遺産総額2200万円!
恐る恐る法定相続したとして、相続税計算してみますね。
B代さん(2分の1)1100万円×0.15-50万円=115万円
C子さん(4分の1)550万円×0.1=55万円
D太くん(4分の1)550万円×0.1=55万円
まあ、B代さんはA造さんの奥さんなので配偶者控除があり、115万円は納めなくていいけど、C子さんD太くんは、これだけの相続税を納めないといけませんでした~~~~~!
天国でくつろぐA造さん「やるときはやるって、パパのモットーだからな!D太もパパ見習って頼むぞ!」
D太くん 「よっしゃ~~~~!わかったあ!!!」
まとめ
生命保険が相続税対策になることを知らない人も少なくありません。お墓を建てるの際に、生前と相続開始後ではこんなに違う事も~知らない人きっと多いはず!
今回ご紹介した相続対策の方法はほんの少しですが、皆さん何かの参考にしてくださいね!