50歳代の私たちは、自分の親の年齢が80歳前後となることが多いため、もう既に悩ましい時期は過ぎてる場合も多いと考えられます。
でも私たちより一回り若い人たちは、親を扶養したり、親の年金受給開始の時期とも重なることが多いため、現役で働いてもらうほうがいいのか、年金が減らされたりしないか、いろいろ悩ましい問題がありますよね~~~!
そこで年金の受給者が、その年金との関係で、働いて得る収入を制限した方がよい場合があるのかどうか、今回少し考えてみましょう。
今回のお話
楽田N平さん(らくたえぬへい40歳)は、お母さんのF乃さん(えふの60歳)と二人暮らしです。
N平さんはなかなかお相手に恵まれず、まだ結婚はしていません。お父さんのE介さん(いーすけ享年35歳)が30年前に亡くなってからは、ずっとお母さんのF乃さんと二人で暮らしています。
F乃さんは、30歳の時にご主人のE介さんを病気で亡くされてから、当時10歳のN平さんをせめて高校だけは卒業させたいと、近くの工場で一生懸命働いてN平さんを育てあげました。
そしてF乃さんは、5年前にガンを患ったことをきっかけにその会社を退職して、今はパートとしてイチゴ農場でイチゴを摘むお仕事をしています。
イチゴを摘むお仕事は昔と違って、腰を曲げてしゃがまなくてよくなったので、F乃さんも身体への負担はそんなにないことから、イチゴ摘みのお仕事頑張っていますよ~~~!
それに内緒ですが、N平さんのお給料も不況であんまりたくさんないことから、少しでも息子に迷惑かけたくないのでと頑張っている訳ですぅ。
でも、最近F乃さんに心配ごとが~~~。
F乃さん 「パレ子さん、私は一生懸命働きたいんだけどさ~、もうすぐ年金もらえるようになるから、働き過ぎると年金減らされるよ~~~って近所の人が言うもんだから~~ちょっと心配になってね~~」
N平さん 「オレももっと給料貰えるとお母ちゃんにも苦労かけないんだけどな~~~」
F乃さん 「いいんだってば~~~、お母ちゃんは働くの好きなんだからさぁ~~~」
はあ~い、やはりその辺は心配ですよね~~~わかりました~~~!しっかり解説しちゃいますよ~~~!

ところで、F乃さんは会社勤めの25年間は、社会保険をかけてもらってたんですよね?
F乃さん 「はい、そのときは夢中で頑張ってました~~~N平のために!」
それから、今はパートですが、一ヶ月どれ位の収入もらってるんですか?
F乃さん 「今は一日5時間で、週5日は働いています。時給は800円!それから、会社の社長がいい人でさぁ、私ももうガンはすっかり良くなってるからって、もう少し長い時間働いて社会保険をかけようか?って言ってくれてるんです!」
ということは、今のところは[800円×5時間]×一年に250日働くとして=年収100万円になりますね!
F乃さん 「長く働くのはいいんだけど、年金が減らないように働くの制限した方がいいのかもわからんし~~」
F乃さんの現状、わかりました!
年金受給者がもらう年金減らないように、収入制限する必要ありますか?

60歳を過ぎて一定の年齢になると年金をもらえるようになりますが、もらえる年金が減ることがあるのは、一つのケースだけなんです。
老齢厚生年金の額が調整されることがあります。
F乃さんの場合は、来年の1月から特別支給の老齢厚生年金がもらえるようになりますが、F乃さんの社長が言ってくれたように、社会保険をかけてもらって厚生年金保険の被保険者となったときに、F乃さんにそこそこの収入があると、もらえるはずの年金が減ってしまうということがあるんですね~。
具体的には、総報酬月額相当額と基本月額の合計が28万円を超えたら調整されて年金が減額となります。
総報酬月額相当額というのは、今もらってる給料のことで、
[その月の標準報酬月額+(直近1年間の標準賞与額の合計÷12)]で求められる金額です。
そして、基本月額とは、これからもらう年金のことで、特別支給の老齢厚生年金の月額のことです。
これをF乃さんに当てはめてみると、F乃さんは25年間、月に約25万円働いていたとしてざっくりですが、年間約48万円の老齢厚生年金の報酬比例部分がもらえますから、月にすると約4万円ですね。
ということは、今のイチゴのお仕事で月に24万円を超えなければ、年金が限額されることはないですよ~~~!
N平さん 「お母ちゃん、月24万円はないだろ~~~!」
F乃さん 「そうだね~~~なんぼなんでもそれはないわ~~お母ちゃん身体壊れちまうよ、せっかくガン治ったのに~~~!」
N平さん 「ほんと心配だから、お母ちゃん無理すんなよ、頼むから~~~」
F乃さん 「あいよ!大丈夫だから~~」
ということで、F乃さんはこれからもお仕事して頑張っていくのに、収入を制限する必要はないですよ~~~!年金はちゃんともらえますからね~~~!
因みに65歳を過ぎた場合は?
総報酬月額相当額と基本月額の合計が46万円を超えたら調整されて年金が減額となります。
これについてはこちらに詳しく解説してますので、ご興味のある方は是非参考にしてくださいね!
まとめ
先日、何かで書かれてあったのですが、60歳あたりで仕事をリタイアした時に1500万円の貯金がないと、年金だけでは80歳以降の生活がままならないと~~~。
そうなると、働く能力もあり身体的な状態も良いならば、できれば一日でも長くお仕事をして、将来に備えたいですね~~~国の仕組みもそれをセーブするのではなく、応援するように変えないとね!
これからは人生100年の時代となり、国の年金もいつからもらえるのか、少し不安な感じがしてますから、ますます自力で備える重要性が高まります!