死亡した時にもらえる一時金、年金ももらいたいけど…

この記事を書いていて、母に父が死亡した時の一時金もらったかを聞くと、、なんと葬祭費や埋葬料をもらえるということに母も私も全然気付いてなくて…。

一応、市役所に「死亡届」を出しに行くと、そこで一時金や年金などの手続き関係の説明書きをもらえて、サクサク関係する手続きをできればいいんですが~~、なかなか字が小さかったりコピーが見にくかったりするんですね~~~!


頂けるものはちゃんと頂いておかないと!

ということで今回は、人が死亡した時にもらえるお金、年金とか一時金とかをまとめてみました。

今回のお話

楽田A造さん(らくたえいぞう50歳)は、妻のB代さん(びーよ50歳)と役場勤めの娘のC子さん(しーこ20歳)と大学1年生の息子のD太くん(でーた18歳)、あとA造さんのご両親のE介さん(いーすけ78歳)とF乃さん(えふの73歳)の6人家族です。

A造さんは、お父さんのE介さんの後を継いで左官の仕事をしているんですよ~。とっても腕のいい職人さんです!なまこ壁(写真のように)なんかも塗れちゃいます!

そして引退したとはいえまだまだお元気なE介さんと、5年前にやっと身を固めた弟のN平さん(えぬへい50歳)も加わって、3人であっちこっち現場を飛び回っています。

そんなある日、楽田家にとんでもない不幸が訪れます…。A造さんN平さんE介じいちゃんが仕事を終わっての帰り道、暴走してきた車と正面衝突して3人が即死してしまったのです。

ショックで言葉も出ないんですが、一応N平さんの家族を紹介しておきますね、5年前に結婚した奥さんT子さん(ていこ40歳)と一人息子O馬くん(おーま5歳)です。N平さんはやっとできた家族をそれはもう溺愛していたのにね…。

A造さん  「なんだ~~こりゃ、俺たちは天国に向かってるのか…」

E介さん  「ちょっと早すぎたな…100歳くらいまでは生きたかったな…」

N平さん  「オレは死んでないよね?やっと嫁が来て子供も生まれてまだ学校も行ってないのに……そんな殺生な~~~~~~!」

あっという間に未亡人が三人も…、やっとの思いで葬儀を終えて、その三人が悲嘆に暮れながら話をしています…。

B代さん  「これからどうやって生活したらよいのか…」

F乃さん  「私の年金でなんとかしてちょうだい、B代さん…少ないでしょうけど…」

T子さん  「お姉さんのところは、C子さんが働いてるからなんとかなるでしょうけど、うちのO馬はまだ5歳……ホントに早すぎるぅ…」

C子さん  「あのう…役場で取りあえずもらえるものもらう手続きをした方が…」

B代さん  「なに?C子!もらえるものって~~~?」

パレ子さん~~~!ちょっと緊急で教えてください、大黒柱の三人が突然いなくなっちゃって~~~~!

はい、ほんとに大変なことでした~~!少しでもみなさんの生活が安定するように、パレ子頑張ります!


人が死亡した場合にもらえるお金ってあるんですか?

はい!ありま~~す!

遺族基礎年金、遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金、埋葬料か葬祭費…。

でもいろんな決まりがあって全部はもらえませんからね~~では一つずつ説明しますね!

遺族基礎年金

これは国民年金をかけてた人が死亡した場合に、その人によって生計を維持されていたその子、または子のある妻に支給される年金です。

遺族厚生年金

これは会社で働いていて厚生年金保険かけてる人が死亡した場合に、その遺族に支給される年金です。

寡婦年金

第1号被保険者(国民年金かけてた自営業者等)であった夫が死亡した場合に、子供がいないなどの一定の要件を満たした妻がもらえる年金です。

死亡一時金

第1号被保険者(国民年金かけてた自営業者等)であった人が死亡した場合に、遺族基礎年金がもらえないなどの一定の要件を満たした遺族に支給される一時金です。

埋葬料、葬祭費

国民健康保険や健康保険に加入していた人が死亡した場合に、その葬儀代として支給される一時金です。

B代さん  「そんなこと説明されても、どんだけもらえるのか全然わからないよね~~いったいうちはいくらもらえるの?」

F乃さん  「ほんにほんに…」

年金や一時金、誰がどれだけもらえるか教えてください!

ではまず、A造さんのご遺族は?

楽田家はE介じいちゃんの後を継いで、A造さんもN平さんも自営業で左官をしていますので、加入していた保険は、国民健康保険と国民年金です。

ですから、まず葬祭費として、5万円~7万円をもらうことができます。

そして、寡婦年金は子供がいない女性が受け取れる年金ですので、B代さんは、C子さんとD太くんという二人のお子様がいらっしゃいますので、これをもらうことはできません。

では遺族基礎年金はどうでしょうか?

遺族基礎年金は、国民年金をかけてた人が死亡した場合に、その人によって生計を維持されていたその子、または子のある妻に支給される年金ですから、一見B代さん達家族はA造さんによって生計を維持されていましたので、この年金を受け取れそうですぅ!

しかし、残念~~~~~!「子」は18歳到達年度の末日までしか、この遺族基礎年金受け取れないんですぅ!

B代さん  「え”~~~!D太、18歳でしょ?なんで?何で受け取れないの???」

C子さん  「お母さん…D太、去年の10月に18歳になってるでしょ、その年度末だ…から今年の3月までだよ」

D太くん  「ガガ~~~~ン、うそだろ?」

A造さん  「他に受け取れる年金か一時金はないのか?パレ子さん~~~!」

では死亡一時金を検討してみましょう。ちょっと細かいこといいますので、耳の穴かっぽじいて聞いてくださいね!

死亡一時金は、第1号被保険者(国民年金かけてた自営業者等)として国民年金の保険料を36ヶ月以上納めた人で、老齢基礎年金や障害基礎年金をもらわないで死亡した時に生計を一にしていた遺族が一回でボンっともらえるお金です。

そしてA造さんは20歳から50歳まで国民年金の保険料を納めていますから、トータル360ヶ月納付していますので、27万円の死亡一時金(平成30年度の金額)を受け取ることができますね~~~!

A造さん  「たったそんだけかい?ほんとにそんだけかい~~~?すまん…B代…C子…D太…」

あっ!もしかしてA造さんが3年以上付加保険料を払っていたら、8,500円プラスされま~~~~す!

D太くん  「されま~~す!って27万円に8,500円足して~~ってこと?葬祭費と合わせて34万円そこそこかよ~~~!」

B代さんC子さん「………………………………わかりました…」

T子さん  「なんか…お気の毒ね…」


次ぎに、F乃ばあちゃんは?

まず、寡婦年金はお子様がいない人がもらう年金ですから、E介じいちゃんと一緒に二人の息子さんは亡くなられたので一瞬もらえそうですが、60歳から65歳までしかもらえないので73歳のF乃ばあちゃん、残念です!

遺族基礎年金も子供がもう50前後のオッサンですからもらえませんし、死亡一時金はE介じいちゃんもF乃ばあちゃんご自身も老齢基礎年金をもらっていたのでこれももらうことができません、残念ですぅ!

結局、葬祭費、5万円~7万円ですね~F乃ばあちゃんがもらえるお金は!

E介さん  「F乃…大丈夫か?」

F乃さん  「大丈夫ですよ…ただB代さん達に申し分けないですね…」

最後にN平さんのご遺族は?

T子さん  「聞いてください!うちはまだこんなに小さい子がいるのに~~明日からどうやって生活していけば~~!とにかくお金いっぱいください!!!パレ子さんだけが頼りです!!!」

こればっかりは~~~、私の一存では~~~~!

まず寡婦年金は先ほどもいいましたが、お子様がいらっしゃるともらうことができないんで、T子さんは可愛いO馬くんがいらっしゃるんで、これは残念ですぅ~。

そして、死亡一時金は遺族基礎年金がもらえる時はもらうことができませんから、先に遺族基礎年金を検討してみましょうね!

N平さんは、A造さんとE介じいちゃんの後を継ぐまでちょっとフラフラしてまともに会社勤めをしていませんので、厚生年金保険料じゃなくて国民年金保険料をどれ位納めていたかが一番心配です。

遺族基礎年金は、

65歳未満で死亡日の前々月までに保険料納付済期間が加入期間の3分の2以上あるか、

死亡日の前々月までの1年間に保険料の未納がないことで支給されます。

N平さん  「オレは結婚するまでは、税金とか年金とか保険とか大っ嫌いだったから、ぜんぜん払ったことなんかなくて~、1個目の条件はダメだな~~、でも、結婚してからはT子の言うとおりちゃんと払ってたからな~~~しっかり1ヶ月も飛ばすことなく!2個目の条件はクリア、イェ~~~~イ!!!」

よかったですぅ~~~~!じゃあ大丈夫ですね!

T子さん  「えっ、そうなんですか? そしたら、いったいいくらもらるんですか~~~~!」

779,300円+[224,300円×子供の数]ですから、年100万3,600円です!O馬くんが18歳になった年の年度末までね!

とするとO馬くん5歳ですから、O馬くんが18歳になるまでの13年間に、

100万3600円×13年=1,304万6,800円

遺族基礎年金がもらえるので、死亡一時金はもらえません。ただ、葬祭費はもらえますよ。

T子さん  「~~うっそ~~~~!葬祭費なんかどうでも~~そんなことより、ほんとですか!!!」

まあまあT子さん落ち着いて~~~

B代さん  「なんかうちの旦那は、ちゃんと30年間も国民年金の保険料払ってたのに、うちはぜんぜんもらえなくて、N平さんとこがしっかりもらえるのって…」

C子さん  「………お母さん………しぃ…行政はそうなってるの…」

D太くん  「オレバイトもっと増やすよ。そして奨学金も借りるから、お母さん大丈夫だよ!」

F乃さん  「私は年金要らないから、B代さんが使ってちょうだい…」

C子さん  「でも、お母さん、お父さん生命保険の個人年金入ってたんじゃなかった?」

B代さん  「入ってたって、まだ満期は10年も先よ…」

C子さん  「大丈夫よ~~~!かけてた人が亡くなったら死亡給付金として、受取人がすぐもらえるよ!受取人お母さんでしょ?いくらかけってたの?」

B代さん  「満期で1500万円…くらいかしら…」

C子さん  「じゃあきっと1000万円くらいあるよ、お母さん、すぐ生命保険会社の担当者に聞いてみようね!」


まとめ

30年保険料かけたA造さんの家族は微々たるもんしか入ってこないのに、5年ちょっとかけたN平さんとこは1000万円って、ちょっと不合理な感じがしますが…。

ただ、これから少子高齢化社会がドンドン進み、私たちが70歳80歳を超えた頃にしっかり生活できるほどの年金をもらえるかはとっても心配ですぅ~~!

なので、やはり国に頼ってばかりではなく、自助努力も結構必要な時代になってきています!

特に自営業の方は、早めに国民年金基金や生命保険会社の個人年金、はたまた投資信託等、是非人生100年のあおりは前向きに受け止めて、ちょっと視線を遠くに広げてみましょう!

「備えあれば憂いなし」です。

私も頑張ります!!!