今、独身の方が、親御さんと二人暮らしという家庭がとっても多くなっていますね~。息子さんとお母さんや、娘さんとお父さんとか形はさまざま~~。
でも、二人きりの家族でもお元気なうちはいいのですが、親御さんが病気やケガで寝たきりになったり介護状態になったり、そして、いつかは看取りという大変辛い最後のときを迎えます…。
でも、年金をもらっていた親御さんを看取った時は、辛くて悲しいのにチャッチャとやらなければいけない手続きがあるんですね…。今回のお話はそんな時に気をつけないといけないことをまとめてみました。
今回のお話
楽田A造さん(らくたえいぞう55歳)は妻のB代さん(びーよ50歳)と娘のC子さん(しーこ30歳)と息子のD太くん(でーた25歳)の4人家族です。
あっ、近くにE介じいちゃん(いーすけ85歳)いらっしゃいました~~、F乃ばあちゃん(えふの享年75歳)が5年前に亡くなってから畑をやりながら一人暮らしをしていますが、国民年金だけでは生活大変なので、長男のA造さんの家族がE介じいちゃんの面倒をみていたんですね~~~!
そしてときどき顔を見せるのが次男のN平さん(えぬへい45歳)、独りもんで、若い時から気楽な人生送ってるおもろいオッサンです!
そんな平和な楽田家でとっても悲しいことが起きてしまいました…。
朝早くに取ったタケノコを持ってE介じいちゃんがA造さんの家に来たとたん、バタッて倒れてそのまま帰らぬ人となってしまったのです。5月15日のことでした…。
一応、病名的には「急性心不全」でしたが、健康だったE介じいちゃんは天寿を全うしたように安らかに天国に旅立って行きました…。そして、バタバタと葬儀を終えてあっという間にE介じいちゃんが亡くなってから10日ほど過ぎた5月25日…。
N平さん 「おやじの年金、もう少しの間もらっててもいいんじゃねえか~~~!オレ代わりに受け取っとくから~~~!」
A造さん 「なに言ってんだ!N平、お前はまったく…どうしていつもそうなんだ!」
B代さん 「お父さん、年金の手続き放っておいたら、だまして受け取ったとかで捕まっちゃいますよ!」
天国のE介じいちゃん 「わしももうちょっと長生きしたかったけど、残念じゃが、あとは兄弟仲良くやってくれ、A造や~アホのN平頼むぞ!」
A造さん 「わかったよ、父さん心配しないで天国行ってくれ!ところで、年金止めないとな~~~!」
パレ子さん~~~!ちょっと教えてください年金のこと、死亡したらいつまでに止めないとダメなのか?

はあ~~~い!なんかゆっくりしてられないんですよ~~~!テキパキいきます!
年金受給者が死亡したら、どんな手続きが必要ですか?

まず年金を受給していた人が死亡すると、二つの手続きに注意です!
1つ目は、年金受給停止の手続きです
年金を受給していた人が死亡すると、年金を受け取る権利は消滅しますから、遺族は年金受給停止の手続きを速やかにしなければなりません、年金受給者死亡届の提出です。
提出先は、年金事務所か市区町村役場の年金窓口、もしくは、街角の年金相談センターです。
もっていくものは、年金証書、戸籍謄本、死亡診断書のコピーです。
そして、一番重要なのが、なんと国民年金は死亡日から14日以内に、厚生年金は死亡日から10日以内に提出しなければなりません。
お葬式が終わり、初七日が過ぎてすぐです!
N平さん 「え~~~そんな~~~~名残惜しいな~~~」
A造さん 「バカ言ってんじゃないよ!」
B代さん 「お父さん、E介じいちゃん亡くなってもう10日ですよ!」
A造さん 「え~~~~、あっ大丈夫だ!父さんは国民年金だけだから、厚生年金はないから!」
天国のE介じいちゃん 「すまんの~~~A造、N平放っておいて~あとは頼むぞ!」
2つ目は、未支給の年金の請求手続きしましょう
N平さん 「ところで、おやじの生きてる間の年金でまだもらってないやつあるかもよ!」
A造さん 「まったくぅ~N平お前はどんだけ~なんだ」
B代さん 「お父さん、落ち着いて…」
では、年金がどのように支給されているかを、まず押えましょうね!

みなさんは、15日に郵便局のATMの入り口にお年寄りが並んでる様子、みたことありますか?みんな少しにこやかに並んでますよね~~~!年金は偶数月の15日に支給されるんですよ、しかも後払いですぅ!
例えば4月分の年金と5月分の年金2ヶ月分をまとめて、翌月の6月15日に支給されるんです!
そして、死亡した月の分まで支給されるのでE介じいちゃんの命日は5月15日ですから、年金は5月分まで受け取れることになりますね。
N平さん 「ほ~~~ら!オレの言うとおり、死んでも年金受け取れんだろ!」
でも、N平さん!死亡した人の年金を受け取れる遺族は、誰でも受け取れる訳ではないんですよ~~~~!
N平さん 「オレは親孝行だったから、当然受け取れるだろ~~~!なあ?」
A造さんB代さん 「……………(-_-)」
死亡した人の未支給の年金は、生計を一にしていた遺族が受け取れて、その順番は、1 配偶者、2 子供、3 父母、4 孫、5 祖父母、6 兄弟、7その他の順番です。
N平さん 「お袋はもう死んじまってるし、子供はオレとアニキと二人だから、年金はしかたねぇ折半だな!」
だから~~~~!生計を一にしていた遺族だけが受け取れるんです!!!!!N平さん!
N平さん 「なに?そのせいけいをいつだかなんだかって~~~、オレにもわかるように言ってくれよ!」
生計を一にしていた遺族って、どういうことですか?
「生計を一にしていた遺族」とは、以下の2つの条件を満たす必要があります。
1 生計同一要件 2 収入要件
ではまず、1について説明します。
生計同一要件とは、ざっくりいうと「生活費が同じサイフからでている」って意味です。
そして、「生活費が同じサイフからでている」とは、住民票が同じであったり、別であっても生活費等の援助を受けていたとかの場合をいいます。
そして、2は、被保険者の前年の収入が年額850万円未満であること、もしくは前年の所得が年額655.5万円未満であることです。
これについては、E介じいちゃんはA造さんから生活費の援助をもらって生活してましたし、B代さんはよくE介じいちゃんのところに行って布団干したり、掃除機かけたりしてましたよね~~~!
また、E介じいちゃんは国民年金だけで生活していましたので、2の収入要件は全然大丈夫ですね。
E介じいちゃん「そうじゃ、そうじゃ、B代さんに布団干してもらったら、ほんとに気持ちよかった…ありがとな…」
B代さん 「私はなにも…………(T_T)おじいちゃん早すぎますよ~~~天国行くの~~~!」
N平さん 「おれも、布団は一回干してやったじゃ~~~~~ん~~~~!」
E介じいちゃん「N平!!!!お前のでる幕はない!!!!!」
最後に、未支給年金請求の手続きをする時に用意する書類は、
未支給年金請求書、年金証書、戸籍の全部事項証明書、生計同一の確認書類(住民票の写し、もしくは、申立書)、金融機関の通帳、印鑑、です。
まとめ
補足があります。
まず「年金受給者死亡届」のことですが、日本年金機構に住民票コードを登録して、死亡届を7日以内に提出した人は、この届けを省略できますよ。
また、未支給の年金を請求できる期限は、死亡した人の年金支払い日の翌月の初日から数えて5年以内になってます。
さらに、未支給の年金を受け取っても、それは相続税の対象外ですからね。