私の息子も大学3年生、そろそろ卒業後のことも視野に入れて、今まではバイト+勉強が、最近はバイト+勉強+就活と忙しくなっています。
どんな仕事に就くのやら親としても心配ですが、本人も民間がいいか公務員がいいか悩んでいます。
だって仕事を選ぶのは、やりがいとお金がキモですからね~~お金といえば年金も絡んできます。
今回はその仕事に就いた結果、老後にもらえる年金がどういう影響を受けるのか、年金の種類を制度改正等を絡めてお話していきますね
今回のお話
楽田A造さん(らくだえいぞう50歳)は妻のB代さん(びーよ50歳)と娘のC子さん(しーこ25歳)と息子のD太くん(でーた21歳)の4人家族で幸せに暮らしています。A造さんは、一部上場会社の中堅管理職で、B代さんは専業主婦、C子さんは航空会社に勤めて3年経ち、D太くんは某私立大学の3年生です。
D太くんはお姉さんのC子さんと違い、割と慎重派で先のことをいろいろ考える性格です。最近はそろそろ卒業後のことを考え、インターンシップを体験したりしています。そのインターンシップを実施している企業に行って担当の人と会社の福利厚生の話していた時に「ふっ」と疑問が沸いてきました。
D太くん 「先のことは全然わかんないけど、できれば年取っても安定した生活ができるほうがいいよな~~、E介おじいさんみたいに、年金ガッポリもらってさ~~~」
そうなんです!D太くんのおじいさん、つまりA造さんのお父さんのE介さん(いーすけ85歳)のことですが、E介おじいさんは校長先生だったのですが、年金が3階建てで年に500万円くらいもらってるって聞いているんですねぇ~~~!
すごいですね~~~~~!そりゃ羨ましい~~~~!
D太くん 「だから年金をガッポリもらうためには、民間じゃなくて公務員がいいかな~~って」
A造さん 「まったくD太は~~そんなことよりちゃんと卒業できるのかい?」
C子さん 「今が楽しけりゃいいじゃない!D太は男らしくないわよ~~~~!」
B代さん 「D太は私に似て慎重派なのよ~~~、それはそれで堅実な人生だから、ママは応援するわよ!」
まあ、パレ子さん、D太くんの疑問に少し分かりやすく解説してもらっていい?

オッケイで~~~す!!先のことを考えることは大事ですよ! しっかりお答えしま~~~~す!
公務員の年金と、会社員の年金に違いはありますか?

公的年金制度の基本から説明しますね!
公的年金制度は、20歳になったら国民全員がお金を出して、老後の生活を支えたり、若くして障害をもってる人や夫を亡くした妻やその子供の生活を支えたりという、相互扶助の精神から作られた国民にとってとっても重要な制度なんですね~~!
この国民にとって重要な制度を支えるために、20歳になったら国民全員がこの公的年金に加入しなければなりませんよ~。D太くんも20歳から国民年金に加入されてますよね!
D太くん 「はい、今はお父さんに払ってもらってます~~~(^^;)」
実はこの公的年金制度、平成27年10月以前は、自営業者、学生、主婦が加入する国民年金、サラリーマンなど会社員が加入する厚生年金、そして公務員が加入する共済年金の3種類に分かれていました。
そして20歳になったら国民年金は日本の国民なら全員加入し、そして会社員の場合は厚生年金に加入すると同時に国民年金にも加入していることになって、会社員の年金は2階建てになっているといわれているんです。
一方、公務員は共済年金に加入すると国民年金に同時に加入していることになりこちらも2階建てになります。そして公務員はさらに職域加算というのがあって、2階建ての上にも一階足してなんと公的年金が3階建てになってたんですね~~~~!
D太くん 「それでE介おじいさん、たんまりもらってるんだね~~~やっぱり公務員おいしいな~~~!」
もちろん私的に2階建て3階建てにすることはできますが、公務員は公的に最初から3階建てだったというところが、優遇されているって感じしますよね~~~~!
でも平成27年10月に改正が…
でも平成27年10月に制度が変り、共済年金が厚生年金に統一されましたので、公務員はサラリーマンと同じ厚生年金に加入することになりました~~~!
D太くん 「じゃあ、今からは公務員も民間と同じで、2階建てになっちゃったってこと?」
それが~~やっぱり公務員は公務員だったんですぅ~~~~!
年金払い退職給付の創設
職域加算が廃止になった代わりに年金払い退職給付が創設されたので、3階部分は形を変えて残りました~~~!
ではここで、職域加算と年金払い退職給付をザックリ押えましょう!
「職域加算」とは、[平均標準報酬月額×1.154÷1000]×加入月数で求められます。
例えば、
平均標準報酬月額が40万円で、大学卒業後60歳まで38年間共済年金に加入していて、平成27年9月までに年金の受給が開始した場合
[40万円×1.154÷1000]×加入月数456ヶ月=21万500円(端数処理済)
ということで、国民年金、共済年金に加え、3階建て部分の職域加算分年21万円が終身でもらえます。
これに対して、平成27年10月以降の時給については「年金払い退職給付」は終身年金と有期年金(10年払いまたは一時払い)の併給となり、また職域加算にはなかった保険料も発生します。
A造さん 「要するに3階建ては残るが、保険料の負担があるよってことだね~~」
そして、これは厳密に加入期間を平成27年10月を境に分けますので、それ以前の加入期間は「職域加算」、それ以降は「年金払い退職給付」と、一人の人でもそれぞれの期間を混在してもらえるという形になります。
B代さん 「まあD太が公務員になった場合は、年金払い退職給付のみってことね!」
C子さん 「それにしても、公務員は公的年金が3階建てって、ずるいよね~~~」
D太くん 「でも、金額的にほんとに多くもらえるんですか?複雑になってるだけで、ほんとはそんなでもなかったりして~~~」
どちらがいっぱいもらえるんですか?
では比較してみましょうね!
ケース
D太くんが再来年に大学卒業後38年間の勤めて60歳で退職しましたが、その間の平均のお給料(標準報酬月額)は40万円だとして、全て不確実な数字で申し分けないですぅ…。
会社員の場合
国民年金40年間加入 年779,300円(平成30年度の支給額)
厚生年金38年間加入 約100万円(あくまで、概算)
公務員の場合
国民年金40年間加入 年779,300円(平成30年度の支給額)
厚生年金38年間加入 約100万円(あくまで、概算)
年金払い退職給付 複雑な計算のため悪戦苦闘しましたが、割愛しますm(_ _)m

ごめんなさい~~~~~~~~~~!!!
あんまり計算が複雑で~~~、でも結局年金払い退職給付の保険料を払うことから、純粋に3階建てになるわけではなく、新たにそれなりのお金を出して増築するって感じなので、若干利率の関係で違いはあれど、個人年金をかけるような感じだと思いますぅ~~。
A造さん 「笑~~~パレ子さん大丈夫だよ!まあ2階建て部分までが会社員と同じだから、要は、年金払い退職給付の部分が追加で払う保険料との関係で、損か得かって話だね~~~まあそんなに目くじら立てて損か得かって議論するほどのものじゃないね」
C子さん 「もし、その部分の保険料をまったく払わないっていうんだったら、まあ得かな~っては思うけど、制度は変るもんだしね~~~!私やD太が年金もらう頃にはどうなってるんだろうね~~」
D太くん 「そうすると、お金というより、やりがいで会社員か公務員かを検討せよ!ってことだね」
B代さん 「D太も、やりたい仕事って観点からもう一度自分の考えまとめてみたらいいかもね!」
まとめ
厚生年金と共済年金の保険料も以前はかなり違っていて、共済年金の保険料は厚生年金保険料より1%~3%も安かったのですが、その辺も是正されましたので、現在は両者はそんなに差がないというのが結論ですね!
ほんとに昔は公務員さん良き時代でしたね~~~~!
でも、就職戦線をこれから本格的に戦う息子のことを案じ、できれば早く希望のところに受かることを心で祈ってますぅ~~~!