はじめて自分の子がバイトし始める年齢になると、いきなり税金や社会保障との関係でいろいろ心配なことや、わからなくて不安なことが出てきますよね~。
もっとも、大きなチェーン店や会社でしたらちゃんと経理の方がやってくれるでしょうけど、個人経営のところだと自分で気付いて手続きをしないといけない場合もありますからね!
そしてわからないからって、ほったらかしにするわけにもいかず~~~。
そこで、今回は扶養とバイトとの関係、バイトするならその上限の金額等をまとめてみました。
今回のお話
楽田A造さん(らくだえいぞう50歳)は妻のB代さん(びーよ48歳)と娘のC子さん(しーこ21歳)と息子のD太くん(でーた19歳)の4人家族です。
C子さんは去年短大を卒業したあと、なかなか思い通りの仕事が見つからずにコンビニでアルバイト中です。D太くんは地元の大学2年生で、やはりお姉さんと同じくアルバイトをしていますが、食いしん坊のD太くんはハンバーガーショップで今なんと店長代理をしているんですよ~~!
そんなこんなで仕事を任されることが多くなったD太くん、今A造さんの扶養に入っているんですが、働き過ぎるといろいろ問題ありますよね?ちょっと詳しく教えてください!パレ子さん~~~~!
はあ~~~~~~い!任せてください!楽田家のみなさん、バッチリお伝えしちゃいます!

扶養している子がバイトしてもらう金額の上限は?

そもそも扶養している子供がアルバイト等している場合に、なぜ子供がもらう給料の上限の話になるかというと、たくさん働いてたくさんの給料をもらうようになると、親の扶養から外れることになるからなんです。
では扶養を外れると何か不都合があるんですか?と疑問を持ちますよね!
そこでまず、扶養の意味からお話しますね!
扶養の2つの意味って?
扶養っていう言葉を辞書で引くと「助け養うこと」とか「生活できる様に世話をすること」って書いてあるんですが、A造さんたちが心配している「扶養」は、一般的な意味の扶養ではなくて、法律上の扶養なんです。
税法上と社会保険上の2つの意味での「扶養」のことですね。
税法上の「扶養」は、扶養親族になると親が払う所得税や住民税を安くできる可能性があります。また、社会保険上の「扶養」は、親から扶養されていると認められると、子供たちはお金の負担なく保険給付が受けられるという意味があるんですよ~~~!
では扶養を外れるとどんな不都合が?
税法上の扶養を外れると、親が払う所得税や住民税が高くなってしまうという不都合が生じます。また、社会保険上の扶養を外れた子供たちは、自分で国民健康保険に加入しないといけなくなという不都合が生じます。では詳しくみていきましょう。
税法上の扶養を外れると…
親にとっての不都合
D太くんの1年間(1月1日~12月31日)の収入が103万円を超えると、A造さん所得税と住民税の計算において扶養控除が使えなくなるという不都合が生じます。
A造さんはサラリーマンですから、お給料から前もって所得税が源泉徴収されていますよね!その源泉徴収された所得税を11月頃に「扶養控除等移動申告書」というのを提出して年末調整してもらって返金されるんですが、そのときに扶養控除が使えないとすると、返金がなくなるかも~ってことなんですね!
因みにD太くんは19歳ですから、その扶養控除の金額は所得税は63万円、住民税は45万円になります。
具体的には、A造さんの年収を500万円とすると、
住民税45万円×0.1=4万5,000円
合計17万1,000円
多く税金(所得税と住民税)を払うことになりますね。
子供にとっての不都合
D太くんの1年間の収入が103万円超えると所得税がかかってきます。また、98万円超えると住民税がかかってきます。
詳しくみてみると、非課税の範囲は以下の通りです。
所得税 65万円(給与所得控除)+38万円(基礎控除)=103万円
住民税 65万円(給与所得控除)+33万円(基礎控除)=98万円
ですからこれ以上の収入を得たら、それに対して税金がかかってきますね~!
もっとも、一定の要件で勤労学生控除が使えますので、それにD太くんが当てはまればこの限りではないです。
勤労学生控除とは?
勤労学生控除とは、生活費などのためにアルバイトをしている学生を対象に一定の条件を満たすと、税金の計算をする時に一定金額を控除してもらえるんですよ~~~!
要件は
1 | 勤労による所得があること |
2 | 1年間の収入から給与所得控除65万円引いた残りの所得が65万円以下であること |
3 | 特定の学校の学生であること |
2の要件は、例えばD太くんが120万円の収入があったとすると給与所得控除65万円引いた残りの所得が120万円-65万円で55万円になりますから、勤労学生控除が使えます。そうすると、
所得税 103万円+27万円=130万円
住民税 98万円+26万円=124万円
D太くんはこの金額を上限として働いても税金取られませんよ~~~~!
もっとも、バイト先のハンバーガーショップで年末調整してくれない場合は、D太くん自ら確定申告しなければなりませんから、その点は注意してくださいね!
ガンバレ!!!店長代理!!!
社会保険上の扶養を外れると…
130万円の上限いわゆる130万円の壁
D太くんが130万円以上の収入があると、A造さんの会社の社会保険から外れて自分で国民健康保険に加入しなければなりません。そして健康保険は全員加入が原則ですから、「ぼく健康だから~」とか言って入らないということはできないんですよ~~~!もし加入手続きをしないでいて、病気になったからっていって手続きにいくと、それまでの払ってない国民健康保険料を全て請求されますから。ズルできません!
106万円の上限いわゆる106万円の壁
そして、2016年10月に改正があり、一定の企業ではその130万円の上限が106万円まで下がります。
その要件とは、a 従業員501人以上の企業で、b 週20時間以上、c 年収106万円以上、d 勤務1年以上の人は、社会保険(健康保険、厚生年金)に加入しなければなりません。
D太くんのところは大手のチェーン店ではなかったですね~、その点は心配ないようです。
まとめ
結論としては、親の負担を考えないとすれば、D太くんは124万円を上限として働くことができる。
親の負担を避けるとすると、D太くんは103万円を上限として働かなければならない。
ですね!
ガンバレ!!!店長代理!!!