相続した土地の評価、角地ってどうかしら?

今、日本は災害が多発しています。今日も朝から九州の方で土砂崩れがあって…何人かの安否がとても心配されています。土地を代々継いできた人もたくさんいらっしゃると思いますので、その場合は天災が起こらないことを切に願いますが、これから土地を選ぶ人には、災害から確実に逃れるような選択をしたいですね~。



ところで、今回は土地の形状に少し目を向けて相続と絡めて、楽田さんの悩みや思いを書いてみました。

今回のケース(下記の事情以外は考慮しないこととしますね!)

楽田C子さん(らくだしーこ25歳)は、10年前にお父さんのA造さん(えいぞう享年40歳)を亡くしたあと、お母さんのB代さん(びーよ50歳)と、二人で仲良く暮らしていました。

そして、少し離れたところに住んでいるA造さんのお父さんのE介じいちゃん(いーすけ85歳)のところには、一ヶ月に一回は二人で訪問してお世話をしていました。先日も桜の季節ですから、C子さんとB代さんはちらし寿司を作り、途中で桜餅を買いE介じいちゃんのお顔を見てきたところです。

C子さん   「お母さん…なんかおじいちゃん元気なかったよね…」

B代さん   「うん…そうだね…ちょっと心配だわ…」

ところが、そんな話をしていた矢先、突然E介じいちゃんの悲報が届きます。

残念ながらE介じいちゃんは、急性の心臓麻痺で苦しまずに安らかに天国へ旅立ちました…。

パレ子さん…E介じいちゃんの相続人は、私、一人なの…どうしたらいいのかしら…

はい!E介おじいちゃんは天寿を全うされたので、淋しいですが、C子さんは相続人として、いろいろお手続きしないといけませんね!パレ子も非力ながらお手伝いしますね!



相続税の申告期限は、相続開始から10ヶ月以内ですよ~

E介じいちゃんには、C子さん達がわからなかった財産が多数ありましたが、特に土地が3筆もあったのには驚きでした。そこで、主立った財産をざっと計算するとなんと3億円!

一応、基礎控除=3000万円+600万円×相続人の数で計算しますから、相続人一人の場合、基礎控除額は3600万円となり、3億円から3600万円を引くと、2億6400万円に課税されることに…

恐る恐る…相続税計算してみる…

2億6400万円×0.45-2700万円=9180万円

C子さん   「おったまげ~~~~~!むりむり~~~絶対むり~~~~!」

B代さん   「C子、パレ子さんにワラをもすがる思いで、教えてもらおう!」

E介じいちゃん「すまんのぅ~~~~でも、可愛いC子にいっぱい残せて、わしゃうれしいよ~~」

C子さん、B代さん、落ち着いてください!まず一番財産的価値が高い土地の評価を把握してみましょう。

まず3筆の土地、どう評価するんですか!

はい、相続税評価額を出してみて、そのうちの一つか二つを処分して相続税の支払いに備えた方が良いと思います。そして調べてみると、

 土地 1  原野 600平方メートル  袋地
 土地 2  宅地 400平方メートル  普通地
 土地 3  宅地 600平方メートル  角地

C子さん   「お母さん、私達今アパート暮らしでしょう~ゆくゆくは二人でゆったり住めるお家建てようよ~ねえ?」

B代さん   「そうだね、お父さんが転勤族でついつい家を建てないまま亡くなってしまって、そのままだったからね~おじいちゃんも可愛い孫にって残してくれたと思うから、そうしよう~」

では、土地1~3のうち、どれを残してどれを売却した方がいいか、考えてみましょう

土地1について

結構町中にある土地ですが、袋地といって道路に接していない土地なので、まずはこれは却下ですよね~。

B代さん   「広いんだけどね~600平方メートルって、約180坪?お庭も広く取れるし~私、ガーデニングやりたかったのよ~~~」

C子さん   「お母さん、お花大好きだもんね~~~惜しいね!」

土地2について

最寄りの駅から近くて便利なところにある土地ですね~。そして、「普通地」とは、土地の一辺が道路に接している土地をいいます。形もほぼ正方形で、お家も建てやすいですね~!

C子さん   「お母さん、ここ良いんじゃない?駅から近いから、私仕事行くのにすっごく便利~~!」

B代さん   「そうだね~~土地も120坪くらいあるしね~~ここ一番かもしれないね!」



 

土地3について

最寄りの駅からは少し離れていますが、「角地」それも、東と南に向いてますから良い土地ですね~~~!

C子さん   「角地ってなんですか~?」

B代さん   「C子、道路と道路が交差しているところの角にある土地だよ~~~」

E介じいちゃん「ここ~いいじゃろ~~~~!」

C子さん 「ここ、いったいいくらなんですか?」

では、角地の相続税路線価を求めてみましょう。

まず、1㎡当たりの評価額を求めて、それに土地の面積をかけてみますね。

 

1㎡当たりの評価額

[正面路線価×奥行価格補正率]+[側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率]で求めます。

まず、正面はどちらかというと、面している二つの路線価にそれぞれの奥行価格補正率を乗じて価格が高い方が正面となります、計算してみますね!

300C→300千円 奥行価格補正率は、奥行(a)が30メートルなので0.98を掛けます。

300千円×0.98=294千円

200C→200千円 奥行価格補正率は、奥行(bが20メートルなので1.00を掛けます。

200千円×1.00=200千円

294千円>200千円になりますので、300千円が正面路線価になります。

奥行価格補正率についてはこちらを見てくださいね。http://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka/02/07.htm

そして、側方路線影響加算率は、角地の場合、0.03になりますので、

1㎡当たりの評価額 =(300千円×0.98)+(200千円×1.00×0.03)=300千円になります。

そして、土地の評価額は、

土地の評価額=1㎡当たりの評価額 ×土地の面積

で求めますから、300千円×600㎡=180000千円、つまり1億8000万円です

C子さん   「もう絶対、ここ!ここがいい!駅から少し遠くても!ねっお母さん!」

B代さん   「C子!ここにしよう~~~お母さんのここ気にいったわ~~!」

E介じいちゃん「ほうら、わしの言ったとおりじゃろ~ここが一番良いって~~」

でもね~角地もメリットばかりじゃないんですよ~!

角地のメリットとデメリット

メリット

確かに土地は東と南に向いてますから、お隣の建物からの圧迫感も少なくて開放感がありますよね~!日当たりも良いし、お部屋も南向きに配置し易いから、間取りの自由度も高くなります。

また、角地は双方向から見えますので、不審者は人目を避けようとしますので防犯上有利ともいえます。

C子さん   「お母さん!絶対いいわよ、私達女二人暮らしだから~~~!お庭に桜、植えよう!」

さらに、角地は人気もありますし、将来売ろうとする時に買い手が見つかり安いので、流通性が高く資産価値も高いです。

でもメリットだけじゃないんですよ~!

デメリット

人目につく面が多い分、外構の工事費用とか建築費用が割り高になりがちです。例えば、通行人から家の中が見られやすくなる場合もありますから、見えないように植栽や外構も多めに設置することになりますね~。

それに日当たりが良すぎる分、断熱や遮熱対策も必要ですし、あっ、通行量も多いですから振動や騒音、万が一車が飛び込むリスクも~~~~!

それから、上の図の赤い点々ののところ、すみ切りといって、角地は少し削られます。

あと、一番は固定資産税や都市計画税も割高ですぅ…!

C子さん   「ふ~~~~~ん、いろいろメリットデメリットあるんですね~~」

B代さん   「そうだね~~C子、ようく考えようね…」

はい、ようく考えてください…って言いたいところですが、相続税の申告期限が~~~~!



まとめ

土地を選ぶのは、至難の業ですね~~~あとあと後悔しないためにも、ようく考えてね!

でも、楽田さん母子は、E介じいちゃんのお陰で、今年の年末にはステキなお家で歳越せそうで、良かったですね~~!

災害が少ない一年を願ってます!