社会保険の扶養の範囲、手取りだといくらですか?

子育てが一段落すると、ママ達は自分の時間が増えたことをきっかけにお仕事してみようかな~~と思う人、いらっしゃるかもしれません。

また、子供が小さい時はなかなか手が離せなかったのが、中学生くらいになると手が離れるし、先々お金ももかかってくるので、本格的にしっかりお仕事がんばってみようかな~と思う人も多いかもしれません。


でもお仕事増やして扶養の範囲を外れた時のメリット、デメリット等、少し分かりにくいですよね?

そこで今回は、扶養との関係で、ママ達がお給料の金額どうすればいいかしら、手取りでいくらのお給料だったら損しないの?って疑問を検討してみました。

今回のお話

楽田C子さん(しーこ40歳)は20年前にG人さん(じーと42歳)と「授かり結婚」して、一人息子のHくん(えいち19歳)は今大学2年生です。

G人さんは車大好きな整備士さん、C子さんは生協でパン屋さんのパートをしています。

C子さん  「パパ~、私も生協でパートして1年経つでしょう?この間、チーフから6時間パートにならないかって言われたの~~今まで4時間だったけど、Hも免許取ったから送り迎えもしなくてよくなったし、時間もあるしね!」

G人さん  「へぇ~~!ママもやるな~~、がんばってるから声かかったんだね~~」

Hくん   「ママ、ジャンジャン仕事して僕の車のローン払ってよ~~!」

C子さん  「ムリムリ!ママはジャンジャン仕事して、この間新しくした車でパパと旅行に行くの~~!」

G人さん  「ちょっと待ってよ!4時間から6時間パートになるってこと、それってうちにとっていいことなのかな…社会保険の扶養から外れたらさぁ~結局損なんじゃないかな…」

C子さん  「えっ?どういうこと?」

パレ子さん~~~!そうですよね?6時間パートにしたから、一家の収入金額が増えるとは限らないですよね?

そうですね!G人さんの言うとおり、そう簡単ではないかもしれませんね~~!ちょっとみてみましょう!


そもそも社会保険の扶養って?

日本に住んでる私たちは、生まれたらすぐ健康保険に入ることになるので、保険っていうものを意識しないで大人になってます。でも健康保険のお陰で病気やケガをしても、安心して治療を受けることができますよね~!

そして一つの家庭をみると、お父さんが会社員の場合は健康保険に、個人の自営業の場合は国民健康保険に入ってるのでその奥さんや子供たちは安心して生活ができます。だって、いざというときは保険で自己負担3割で治療受けられますからね!

つまり今回話題に上ってる社会保険の扶養っていうのは、お父さんが会社の健康保険組合等の健康保険に入ってると、その奥さんや子供達は自動的に保険に入ってることになるんですよ~~。そのことを扶養されているといいます。

そしてもう一つ、C子さんは老後のこと考えたことありますか?

年をとって仕事をリタイヤしたら、年金で生活していくことになると思うんですが、その年金も20歳になったらみ~んなで年金保険料を払って日本の年金制度を支えていってますよね。でもC子さん年金保険料を払ってますか?

C子さん  「いいえ、払ってないです」

実はG人さんが会社員で社会保険に入っているので、その妻のC子さんは国民年金保険料を払わずして、加入していることになってるんですね~~~!第3号被保険者としてね!

C子さん  「そうすると、社会保険の扶養から外れるということは、健康保険を自分でかけ、年金保険料を自分で払うということになるのね…なんか、お金かかりそうですぅ…」

G人さん  「だろう?その辺の計算しとかないとな~~」

因みに、住民税は年収100万円以内、所得税は103万円以内で働くと非課税です。

詳しくはこちらをみてくださいね!

扶養の範囲で働くことの意義は?

扶養の範囲で働く社会保険上の意義

ということで、扶養の範囲で働くということは、社会保険料を自ら払わずして加入していることになるってことです!おおっきいですね~。

扶養の範囲で働く税金に関しての意義

では、税金との関係はどうでしょうか?

まず、C子さんが4時間パートで働くということは、年収は100万円以下でしたか?

C子さん  「はい!1年の後半は調整して、絶対超えないようにしてました~」

そうすると、C子さんは4時間パートしてて住民税も所得税も支払ってないってことですね!

それからご主人の配偶者控除もちゃんとなってましたよね?

G人さん  「はい、多分そうなってたと思う~~~!」

つまりC子さんがG人さんの扶養の範囲で働くということは、C子さん自らは所得税、住民税を払わないで済み、健康保険や国民年金などの社会保険料も払わないで済み、さらには、G人さんが払う税金等の計算するに当たっては、配偶者控除を適用されて、節税になっているということですね!

C子さん G人さん「この意義は大きいですね~~~~!」


では、C子さんが6時間パートになったとしたら

シミュレーションしてみましょうね!

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(平成27年度版)によるとパートタイム労働者の全国平均時給は、1,032円となっていますが、1,000円として計算してみますね!

4時間パートの方が1ヶ月21日、そしてそのペースで1年働いたとしたら、

1,000円×4時間×21日=84,000円

84,000円×12ヶ月=1,008,000円になります。

なので若干微妙ですが、だいたい4時間パートの方は、ご主人の扶養の範囲ということですね!

ではその調子で6時間働いたとしたら、

1,000円×6時間×21日=126,000円

126,000円×12ヶ月=1,512,000円になります。

社会保険料

会社がかけてくれる社会保険料には、健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料、雇用保険料、労災保険料が含まれていて、その金額はおおよそ収入の14%となっていますので計算すると、

1,512,000円×0.14=211,680円になります。

住民税

1,512,000円-65万円(給与所得控除)-35万円(基礎控除)-21万円(社会保険料)

=302,000円

302,000円×0.1=30,200円(所得割)+5,000円(均等割)=35,200円

所得税

1,512,000円-65万円(給与所得控除)-38万円(基礎控除)-21万円(社会保険料)

=272,000円

272,000円×5%=13,600円

C子さん  「なんか、すごい金額…」

G人さん  「うん…やばいな…」

ご主人の配偶者控除

一応、配偶者控除に関しては改正がありました。以前は妻の収入が103万円超えると配偶者控除が使えませんでしたが、平成30年の分から配偶者の収入が150万円まで拡大されて、38万円の控除が使えます。因みにG人さんの年収はいくらですか?

G人さん  「500万円です(^_^;)」

そうすると、妻の年収が150万円以下だと配偶者控除が使えますが、それを超えると配偶者特別控除になりますので、38万円ではなくて36万円の控除ということになりますから、そんなに変わりませんね!

では計算してみると

住民税      35,200円

所得税      13,600円

社会保険料   211,680円

合計      260,480円

1,512,000円-260,480円 = 手取り1,251,520

まあ、今まで4時間パートで100万円の収入が、6時間パートになって収入としては150万円働いても手取りとしては125万円ですね~~~~!

C子さん  「一日2時間も多く働くのに、年間の手取りとしては25万円増えるだけなのね…」

G人さん  「そうだな…うちの一家の収入金額としてもぜんぜん増えないね…」

そうなんですが~~~~~~!ちょっとまった~~~~~~!

C子さんが6時間パートで働く意義を再確認してみよう

C子さんは、今まで4時間パートで生活のリズムも整っていたでしょうから、これから毎日2時間多く働くことは大変です。にもかかわらず手取りの一家の年収としては、25万円増えるだけ、月にすると2万円ですね……しんどい思いする必要性をあんまり感じられないお二人の気持ち、とってもわかりますぅ~~~

ただ、社会保険をC子さんご自身にかけることでさまざまなメリットがありますよ~~!

まずは、病気やケガで仕事を休むことになった場合、傷病手当金(標準報酬相当日額の3分の2)が最長1年6ヶ月もらえます。

また、老後の年金についてですが、第3号被保険者は国民年金(老齢基礎年金)を65歳からもらえますが、その金額は年々減少の傾向にあります。因みに今年(平成30年)は満額支給で年77万9300円となっています。一ヶ月あたり64,941円になりますね。もし、これしか収入がないとすると、きっと心細いことになると思います。

でも、厚生年金をかけてその老齢基礎年金に上乗せしていくことで、安心につながっていきますよね~~!

もちろんご主人様が生きていらっしゃれば、ご主人様の年金がありますし、もしも生きていらっしゃらない場合でも遺族年金がありますので、その点ご結婚されている方は、独身の方よりは安心です。

ただ、小子高齢化が進んでいる現状を考えると、安心です!と手放しには言ってられないことも現実です。

年金の支給開始年齢の引き下げや、年金支給額の引き下げもあるかもしれませんからね~~~~!

それからC子さんが社会保険を自らかけて厚生年金を上乗せしていった場合、金額だけじゃなくてあともう一つメリットがあります。

C子さんにもしものことがあった場合に、遺族年金を受け取る範囲が広くなります。この点国民年金の場合は、遺族年金の受け取る範囲は配偶者と子に限定されていますが、厚生年金だと、配偶者、子に加え、父母、孫、祖父母まで受け取ることができます。まあ細かいことですが、広いに越したことありませんよね!

さらに、C子さんにとってキャリアアップにつながるのではないでしょうか?

4時間パートから6時間パートになり社会保険をかけてくれるようになったということは、生協にとっての人材として認められたと意味もあると思います。そうすると6時間パートから、エキスパート(正社員)として7時間勤務になったりすると、今度はボーナスの額も変わってくると思いますよ~~~!

C子さん  「そうですね!私もお仕事楽しいし~やりがいもでてきましたから、がんばろうかな~~」

G人さん  「そうだね~~将来の我が家にとってプラスだな~~~」

Hくん   「ママガンバレ!!!僕の車のローン頼む!!」

C子さん  「それとこれとは、別!!!」


まとめ

あと、手取りを増やす方法として、所得控除の額を増やすことを考えてもいいかもしれません!

例えば、生命保険会社が販売している個人年金保険をかけるのも一つですよ~~!かなり増えなくなったとはいえ、普通の銀行預金よりはずっと利率がいいので、無理しない範囲で一本もっててもいいと思います。

まあ子育てしている最中は目の前のことで精一杯ですが、40代50代に突入したら、人生の後半戦に少し目を向け、いろいろ準備をしていきましょうね!