愛人の子に遺贈?とりあえず税金を計算するのに基礎控除ね!

皆さん良く聞く「終活」は、死ぬための準備ですか?と思いがちですが、ちょっと違って将来の不安要素を払拭して、「これからの人生をイキイキと生きてきましょう」という準備のための活動なんですよ~~。

お葬式やお墓の問題、財産の行方とかなんとなく心配なことをクリアにして、人生の後半を生き生きと楽しくいきたいものですよね~~!


そんな終活の一つに「遺贈」って考えたことありますか?皆さん聞き慣れない言葉ですよね~。なんとなく遺言みたいな~贈り物っぽいな~とか思う人もいるかもしれません。そこで今回は遺贈にスポットライトを当てて税金の基礎控除とか計算とかいろいろ、これからの人生の後半戦考えてみましょう。

今回のケース(下記の事情以外は考慮しないこととしますね!)

楽田C子さん(らくたしーこ25歳)は、信託銀行にお勤めの楽田A造さん(らくたえいぞう55歳)とB代さん(びーよ50歳)ご夫婦の一人っ子として生まれ、大学卒業してからお勤めして今3年目となり、楽しい毎日を過ごしていました。

しかし、そんな楽田家に不幸は突然やってきます。ある日、A造さんが交通事故に巻き込まれてしまい亡くなってしまったのです。そしてB代さんC子さん悲しみも冷めやらないうちにA造さんが勤めていた銀行から、貸金庫に遺言が預けられていたと報告を受けました。

B代さんとC子さんは信じられない気持ちで、必要な手続きを経てその遺言の中身を確認すると、なんとそこには、「信託銀行の預金5000万円はK子の子どもJ大に遺贈する」とありました。

B代さん   「え~~~~~~~~、K子って誰?J大って何者~~~~~~!」

C子さん   「まさか、お父さんに愛人?隠し子?ウソでしょう~~~~~~!」

天国のA造さん「すまん、お父さんの子だ。でも認知してないんだ、だから罪滅ぼしで、5000万!」

パレ子さん、ちょっとやばいですぅ、揉めそうです~~~~~~!

 

 

 

 

ほんと、やばやばですぅ~~!皆さん冷静に!!!!!

なんとか、揉めないように、できるかしら~~~~~~!


遺贈ってそもそもどういうこと?

相続っていう言葉は皆さん知ってると思いますが、「遺贈」って聞いたことことがない人もいらっしゃいますよね?

遺言によく書かれているのが「○○に△△を相続させる」という言葉なんですが、これは亡くなった人の法定相続人に財産を移転させることをいうんですね(民法896条)。法定相続人とは亡くなった人の妻や子どものことをいうんですがこれは法律で決まっています(887条、890条等)。

これに対して遺贈(民法964条)っていうのは、その法定相続人以外の人に遺言で財産を無償で譲ることをいうんです。そして、キチッと必要な手続き(検認、1004条)を踏んでるみたいなので、信託銀行にある5000万円の預金は、J大君のものですね~~~!

B代さん   「絶対許せない、愛人と隠し子がいたなんて~~~~~~!」

C子さん   「そんな事より、5000万円!ママ~~5000万円だよ!」

K子さん   「ウフフ…仕方ないですね~~

J大君    「ごせんえん?すごいな~これで、チョロQいっぱいかえる!わ~~~~い!」  

あっ、因みにJ大君8歳です。

相続のとき、税金払うんですよね?

A造さんの財産は、土地(3000万円)建物(1000万円)普通銀行の預金(1000万円)と信託銀行の預金(5000万円)ですが、相続税を払わないといけないか払わなくても大丈夫かみてみましょうね。

まず、ざっと、大まかな財産の合計が基礎控除額を超えてるかみてみると、基礎控除額は

3000万円+600万円×法定相続人の数

で求めますから、楽田家では4200万円(3000万円+600万円×2人)が基礎控除額です。

そして財産の総額は1億円ですから基礎控除額を超えますので、相続税をキチッと考えなくてはなりません。

B代さん   「相続税…そんなに貯金があったなんて…それにK子…J大って…私は家があればいいわ…普通銀行預金の1000万円はC子がもらいなさい…」

C子さん   「ママ、かわいそう…パパに裏切られて…でも、ママありがとう」

天国のA造さん「すまん…ホントにすまん…」

K子さん   「A造さんには、ホントに良くしてもらって~私も一安心ですぅ~ねえ、J大!」

J大君    「ママ~早くチョロQ買いに行こうってば~~~!」

では相続税を計算してみましょう

計算しますよ~~ドキドキ…。

楽田家の相続財産総額が1億円です。そこから基礎控除額4200万円を引くと、課税遺産総額が5800万円になります。そしてB代さんが4000万円、C子さんが1000万円を相続し、J大君が5000万円を遺贈されたので、その割合はB代さんが5分の2、C子さんが10分の1、J大君が2分の1を取得したことになります。したがって、

B代さん  5800万円×0.4=2320万円

C子さん  5800万円×0.1=580万円

J大君   5800万円×0.5=2900万円

に対しそれぞれ相続税を計算します。

そうすると皆さんの相続税は、

B代さん  2320万円×0.15-50万円=298万円

C子さん   580万円×0.1=58万円

J大君   [2900万円×0.15-50万円]×1.2=462万円

K子さん    「なにっ!!!!この1.2倍って~~~~~~!ふざけないで!」

B代さんC子さん「……………………^_^;」

K子さん    「あらま~失礼!」

J大君はB代さんやC子さんと異なり、税金を1.2倍払うのは、相続税の2割加算に該当するからです。仕方ありませんね…でも、安心してください、J大君は未成年者ですから、未成年者控除の対象になります。

未成年者控除は、満20歳になるまでの年数×10万円が相続税から控除されますので、J大君良かったですね~120万円控除されますよ~!

K子さん    「462万円-120万円は、342万円納めないと~~~って、国のあほんだら~!」

B代さんC子さん「……………………^_^;」

K子さん    「あらま~失礼!」


まとめ

因みにB代さんは現金でなくて土地建物を相続してますから、約300万円もの相続税を納めるのは大変かと思いますが、大丈夫!配偶者控除があって、B代さんは相続税は、0円ですよ~~~!良かったですね。

相続が始ると、10ヶ月以内に相続税を納めないといけませんから大変です。現金、預貯金であれば相続税も納めやすいですが、土地建物のように納めにくいときは、相続税を払うのも大変です。なので、これから終活として遺言を書いたり、財産を殖やしたり減らしたりするときは、是非その辺も考えていきましょうね!

そして財産がある人は、遺言は慎重に!